● 「首都圏9音楽大学と2つの公共ホール(東劇とミューザ)が連携して行う音楽大学オーケストラ・フェスティバル」の今回は2回目。開演は午後3時。
● まずは,上野学園大学。指揮は下野竜也さん。
曲目は次のとおり。いずれも「死者の追悼のために書かれた」もの。
ストラヴィンスキー 管楽器のためのシンフォニーズ(1947年版)
ペルト カントゥス-ベンジャミン・ブリテンの思い出に
ブリテン シンフォニア・ダ・レクイエム
● 木管と金管だけが入って,「管楽器のためのシンフォニーズ」。プログラムノートの楽曲紹介によれば,「ドビュッシーを追悼して」という副題が付されている。
静かに時が過ぎていく。
● 「カントゥス-ベンジャミン・ブリテンの思い出に」もまたしかり。「三和音の純粋な響きと単純な旋律の反復」なんだけど,奏者は気を抜けない。
「弦楽合奏の清冽な響き」とは楽曲紹介に出てくる言葉の引き写し。そのとおりで,清冽という言葉がじつにピッタリくる。
● 下野さんの指揮ぶりはどう表現すればいいだろう。かつて将棋で,中原は自然流,米長は泥沼流,谷川は光速流と言われた。そのひそみに倣えば,火の玉流とでもいうか。
内に秘めて,秘めたところを表現するのではなく,ありったけを外に出す。出してオケにぶつける。同時に,奏者に気にするなとか,そうそうそれでいいんだという,指示や評価も示す。
● 藝大はR.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」を持ってきた。指揮は山下一史さん。
一言もって評すれば,しなやかな演奏だった。そう,しなやか。二十歳をいくらか超えたくらいの年齢の若者たちのオーケストラだからこそ,と思えた。
いやいや,それにしたってこうまでしなやかな演奏はそうそう聴けるものではないように思う。
● それを典型的に体現していたのがコンミスで,ぼくはもう呆れてしまった。
こういう演奏を見せられると,さすがに藝大の底力はすごいという印象になる。
● こうして,音大フェスティバルの前半が終了。次回は所を替えて,ミューザ川崎で11月28日。
こういう演奏を見せられると,さすがに藝大の底力はすごいという印象になる。
● こうして,音大フェスティバルの前半が終了。次回は所を替えて,ミューザ川崎で11月28日。
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