すみだトリフォニーホール 大ホール
● 2年前の7月に34回目の演奏会を聴いた。それ以来の二度目になる。
そのときは,ベートーヴェンの7番をやってから,ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」を演奏したのだった。ベートーヴェンでこちらの聴く体力はほぼ消耗してしまって,「ペトルーシュカ」にはまったくついていけなかった。
● そのことを思いだしながら,今回のプログラムを見てみる。
ムソルグスキー 禿山の一夜(原典版)
ムソルグスキー(ラヴェル編) 展覧会の絵
ラフマニノフ 交響曲第3番
「展覧会の絵」の管弦楽版を全曲聴いたあとに,ラフマニノフの3番が来る。最近のコンサートって,交響曲を2つとか,重量級のプログラムが多くなっている印象があるけれども,それにしても。
● 開演は午後2時。チケットは1,000円。当日券を購入。指揮は橘直貴さん。
客席は満員御礼。前回もそうだった。ル スコアール管弦楽団は,都内にあまたあるアマチュアオーケストラの中でも,屈指の水準を誇る楽団のように思われる。このあたりはお客さんはよくわかっているのだろう。
● 「展覧会の絵」の第2曲。クラリネットのソロが素晴らしいと思った。クラリネットでこんな音が出せるのかとシミジミした。が,その後,そのクラリネットの出番がない。あれっと思ったら,クラリネットじゃなくてサクソフォンだったんでした。
クラリネットとサクソフォンを間違えますかねぇ,普通。ま,その程度の聴き手だってことですなぁ。
● そのような聴き手であっても,クラリネットあらためサクソフォンの音色は印象的だった。ここはムソルグスキー,じゃなくてラヴェル,のうまいところなんだろうか。
ここだけ,じつにここだけは他の楽器ではダメで,サクソフォンでなければならない,と。それが功を奏しているってことなんですか。
● そうだとしても,ムソルグスキー(じゃなくてラヴェル)云々と言えるには,それが言えるだけの演奏水準が確保されていることが前提で,その前提が成立していると,聴き手の想像の領域が拡がる。遊びの余地が大きくなる。
それがつまりいい演奏ということになる。今のところは,そう思っている。
● ラフマニノフの2番は聴く機会が多いけれども,3番はそうではない。生で聴くのは今回が初めて。
おおらかにゆったり構えている部分もあり。時にマーラーを連想させるところもあり。めまぐるしいところもある。プログラムノートの曲目解説には「狂詩曲風」という表現があったけれども,なるほどと思った。
何度か聴かないと,腑に落ちてこなそうだ。というわけで,これは自分の宿題になった。
0 件のコメント:
コメントを投稿