杉並公会堂 小ホール
● 開演は午後7時。チケットは500円。
杉並公会堂の小ホールに座るのは初めて。椅子などは少々チャチイ感じがなくもなけれど,音響はまったく問題なし。
● アンサンブル・リチェルカーレは木管五重奏のグループ。宮崎真哉さん(フルート),島崎英也さん(オーボエ),松岡将法さん(クラリネット),柴山千秋さん(ホルン),石川恭世さん(ファゴット)の5人。
● それぞれ腕に覚えがある人たちのはず。男性的な音色のファゴットとホルンを女性が担っている。いや,べつに普通にあることなんだけど。
曲目は次のとおり。
プーランク ノヴェレッテ
杉浦邦弘編 日本の心
ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ第6番
デランドル 木管五重奏のための3つの小品
ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」
● ブラジル風バッハはフルートとファゴット,つまり,宮崎さんと石川さんの演奏。手に汗握る感じの演奏になっていた。
ブラジル風バッハって9番まであるんでしたか。バッハとはあまり似てないような気がするんですよね。ブラジル風にしちゃうとバッハとはぜんぜん違ったものになる。
でも,ブラジルの人が聴くと,バッハに通じるものを感じるんでしょうかねぇ。
● MCを担当した松岡さんによれば,デランドル「木管五重奏のための3つの小品」は日本で演奏されたのは二度か三度しかない,とのこと。石川さんがCDから見つけだしてきた由。
となると,貴重感が漂いだす。色彩豊かというか多色感というか,短い曲ながら万華鏡のような趣がある(と思った)。
● しかし,圧巻だったのは「展覧会の絵」。聴く機会が多いのはラヴェルが編曲した管弦楽版。ラヴェルのオーケストレーションの見事さもあって,華やかさに満ちた曲になっているわけだけども。
これを木管五重奏で聴くと,曲の構造,組み立ての骨格が見えやすくなる(ような気がした。たぶん錯覚だろうけど)。だったら,原曲はピアノ曲なんだから,それを聴けばもっと見えやすいんじゃないのと言われますな。
● 今回の演奏のために投入した時間や労力の大きさがうかがわれる演奏だったと言っておきたい。
なかなか時間も取れないのが実情なのかもしれない。であれば,なかなか取れないその時間を最大限に活かして,集中度の高い準備をしてきたのだろう。
● 特に印象に残った奏者はファゴットの石川さん。楽器とともにいる時間が5人の中でも最も長いのじゃないか。
いや,わかりませんけどね。わからないけれども,そういうふうに感じさせる演奏ぶりだった。
● 開演までだいぶ時間があったので,荻窪駅周辺の飲み屋街をぶらついてみた。気安い飲み屋がたくさんあるね。同時に複数の店には入れないわけだから,いい飲み屋はたくさんは要らない,ひとつあればいい,という意見もあるかもしれないけど。
ただ飲み屋街になっていると,街ゆえの風情というか,そぞろ歩きしたくなる吸引力を持つことになるね。
ただ,ひとつだけ前提条件があって,街として賑わっていることだ。ここは土曜日でも賑わっていた。これが地方だとそうはいかないんだよね。
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