大妻女子大学千代田キャンパス 大妻講堂
● 大妻女子大学に侵入した。ただし,同大学管弦楽団の定演を聴くため。
女子高や女子大というと,男子には禁断の地。こういう機会でもないと,入ることなんてできない。ドキドキしましたよ。
● といっても,女子高や女子大のように女ばかり集まるところって,女をガサツにするのではないかとも思っていてね。どうしても地を出しやすいというか,出さざるを得ないというか。
女子力を磨きたいと思っているのなら,高校も大学も普通に男子がいるところの方がいいのでは。
女性が多い職場にも同じことがあてはまるような気がする。保育所や小学校や病院のように女性が溢れているところよりも,建設会社とか運送会社にいる女性の方が,女子力のレベルは高い印象。
● ただ,女子力っていう言葉には,男に媚びている気配も感じるよね。若い娘さんが男に媚びなければならない理由はほぼ皆無でしょ。結婚して専業主婦になるのが女の勝ち組の筆頭というのは,昭和50年代までの発想で,平成も終わるご時世にはいかにも時代遅れだ。
磨かなければ出ないような女子力なんて,そもそも要らないものじゃないかな。あんまり踊らない方がいいような気がする。
● つまり,女子高や女子大で伸び伸びやれるんだったら,それもいいよねってこと。唯一,女しかいないところで女は伸び伸びできるものなんだろうか,という根本的な疑問があるにはあるんだが。
ま,大きなお世話だね。アンタに言われたくないわよ,だな。
● 開演は午後2時30分。入場無料。曲目は次のとおり。指揮は長崎亜星さん。
スッペ 「軽騎兵」序曲
シベリウス 交響詩「フィンランディア」
シベリウス 「カレリア」組曲
近年,重量級のプログラムがあたりまえになっているが,これは軽快な印象。胃にもたれないというか。
この組合せ,どこかで体験しているなと思った。昨年5月に聴いた東京学芸大学管弦楽団の演奏会のプログラムと同じだ。
シベリウスの「フィンランディア」と「カレリア」を並べてくるのは,わりとよくあることなんだろうか。
● 大妻講堂も立派なものだ。大学のサイトから引用すると,「地下1階から地上4階までの吹き抜けで,天井の高さは約15mです。客席は1階770席,2階席229席,3階席204席の計1203席あります。舞台はすべてヒノキ材で作られており,高さ8.5メートルのドイツ製のパイプオルガンが設置されています」ということだ。
大学の講堂やホールには芸大の奏楽堂をはじめ,いくつか入ったことがある。東大の安田講堂,早稲田の大隈講堂,宇都宮大学の峰ヶ丘講堂,成城大学の澤柳記念講堂,宇都宮短期大学の須賀友正記念ホール。
が,パイプオルガンまで備えているところはなかったような気がする(芸大の奏楽堂は別格)。
● パンフレット冊子に載っている演奏者名簿には55人の名前があがっている。その中で現役生は5人しかいない。現役生が1人もいないパートもずいぶんある。
OGの助力を,それ以上に賛助の協力を仰いでいる。賛助の中には男性もいる。それも少なくない数で,奏者の3分の1強は男性だった。
● 部員の減少に苦しんでいる。それでも何とか維持しようという涙ぐましいまでの努力が見て取れる。
体裁を整えるだけで手一杯ということだろう。1st.Vnでは3プルト,4プルトから発せられる音の方がよく響いてくる。そもそも誰もコンミスを見ていない。
プログラムが軽量級であったのも,ひとつにはこれが理由だろうか。演奏は休憩時間を含めて1時間で終了した。
● 多事多難というのは,こういう状態を指すためにある言葉だと思うが,努力が報われてほしいと思う一方で,あまり無理をしても,とも正直思った。
首都圏の大学オケの多くはインカレ方式というか,他大学の学生も受け入れているところが多いのではないか。2つ以上の大学でひとつのオケを作っている例もある。他大学のオケに参加するという形で,オケ活動を継続することは可能だ。
● ぼくは自分が卒業した高校や大学にまったく冷淡で,ほとんど何の思い入れも持っていない。同窓意識もない。
ので,ピンと来ないところがあるんだけれども,名を残したいというのもあるんだろうね。OGの中には,家政学部や文学部を卒業したのではなくて,自分は管弦楽団の卒業生なのだと考えている人もいるんだろうし。
女子大で単独のオーケストラを持っているのは,大妻の他には日本女子大くらいのもので,稀少性もある。
当事者は,当然,部外者よりも多くの情報を持ち,真剣に対策を考えているはずだから,当事者が出した結論を最善解とすべきなのだ。そこは動かないのだが。
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