宇都宮市文化会館大ホール
● 恒例になった感のある宇都宮市文化会館での東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会。わざわざ東京に出向かなくてすむだけでもありがたいというものだ。
開演は午後3時半。財布と相談してB席にした。2千円。B席でも2階席の前の方の中央。まずまず文句はない。
● 今回はオールチャイコフスキー・プログラム。
イタリア奇想曲
ヴァイオリン協奏曲 二長調
交響曲第4番 へ長調
● 指揮は大井剛史さん。地元出身者っていう身びいきもあるのかもしれないんだけど,大井さんの指揮ぶりを見るのも楽しみのひとつ。
オケにも茶目っ気を振りまいている感あり。オケとの関係も良好なのではあるまいか。大事なことですよね,これ。
指揮者である以上,言うべきことは言っているはず。言うべきことを言えるためにも,オケとの関係を良好に保っておくことは重要でしょ。もちろん,それだけじゃいけないんだろうけど。
● ヴァイオリン協奏曲は「ノダメ」で認知度があがったのかもしれないけれど,ノダメ効果なんてのは瞬間的なものだろうね。もともと超メジャーな曲だし。
ソリストは川久保賜紀さん。彼女が出るからこの演奏会を聴きに来たって人も多いかもしれない。
バーガンディのドレス。長い髪をカチューシャでおさえて登場。遠くからでも美しさがわかる。あまり外見のことを言われるのは,たとえほめられている場合であっても,いい気分はしないものかもしれないけれど。
ステージに立つ以上,外見を整えることに手を抜くのは論外。そんなことは百も承知,二百も合点のはずで,一切手抜きなしの外見で登場されると,こちらとしてはひれ伏すしかないというありがたい状況になる,と。
圧倒的な拍手でアンコール。フリッツ・クライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ」から「スケルツォ」を。
● 交響曲第4番にも満足。アンコールも当然ながらチャイコフスキー。「白鳥の湖」の「ワルツ」。
6月に聴いたベルリン交響楽団の演奏を思いだしていた。あのときのベルリン交響楽団の演奏より,今聴いている東京フィルの方が巧いよなぁと思ってたんですね(曲目は違うんだけどね)。
技術はともかくとしても,活きがいいというか躍動感があるというか。あのときはこちらの期待が大きすぎたのかもしれないし,団員がたまたま不調だったのかもしれないんだけど(そもそも,ぼくの耳がおかしいということも考えられる)。でも,けっこうな有意差で今回の東京フィルの方がいいな,と。
● クラシック音楽はヨーロッパで生まれているから,舶来信仰から自由になりにくいところがある。向こうが上で,こちらは合わないサイズの洋服を無理に着ているのじゃないか,みたいな。
しかし,これだけ地球が狭くなって行き来が自由にできるようになり,インターネットまで登場しているのに,舶来などと考えることじたいが時代錯誤なのかもしれないなぁ。
音楽は世界共通語だから,洋の東西を問わず,また今昔を問わず,普遍的に誰にでも一様に通じるはずだとは,さすがに思わないけれども。
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