約2時間のコンサートが終了した直後の満足感は,他のものでは代替できません。この世に音楽というものが存在すること。演奏の才に恵まれた人たちが,時間と費用を惜しまずに技を磨いていること。その鍛錬の成果をぼくたちの前で惜しみなく披露してくれること。そうしたことが重なって,ぼくの2時間が存在します。ありがたい世の中に生きていると痛感します。 主には,ぼくの地元である栃木県で開催される,クラシック音楽コンサートの記録になります。
2012年11月19日月曜日
2012.11.18 宇都宮短期大学第46回彩音祭:東京藝術大学大学院弦楽五重奏団とのジョイントコンサート
宇都宮短期大学 須賀友正記念ホール
● 京都にも同じ名前のイベントがあるらしいけど,こちらは宇都宮短期大学の学園祭。
宇短大には音楽科がある。たぶん,北関東の大学・短大で唯一の音楽科ではないかと思う(群馬県にもあったけど,解散することになっちゃったからね)。その音楽科が芸大院の学生を呼んでコンサートを開くというので,聴きに行った。
● 宇短大の音楽科,県内でも地味な存在かも。ぼくにしたって,今回が初めてだからね,学生たちの演奏を聴くのは。
いろいろと活動はしているんだと思うんだけど,学外に公開しているのはこの彩音祭でのコンサートくらいか。他にもあるんだったら,ホームページで情報発信してもらえると嬉しいかなぁ。って,ぼくが見落としているだけかもしれないんだけど。
● 小さい短大だから,学園祭の規模も可愛らしいもの。模擬店で豚汁(200円)とミネストローネ(250円)を買った。これが昼食。昨夜はけっこう呑んでしまって,胃が大弱り。固形物は入りそうにない(朝は何も食べられなかった)。といって,スープを二杯も飲むと腹がガボガボした。
味? 旨かったですよ。っていうか,こんなものじゃないですか。豚汁はもうちょっと具だくさんで,もうちょっとダシを効かせてもよかったかなぁと思いましたけど。作ってみなきゃわかんないでしょ。こういうのって,ね。
● 開演は12:30。須賀友正記念ホールは立派なホールで,小ぶりながら小規模のオーケストラは載せることができる。客席の勾配もほどよくて,快適に演奏を楽しめそうな感じ。
まずは芸大側の五人でモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。ヴァイオリンの澤亜樹さん,どこかで見たことがある。帰宅後に確認したら,2009年9月に那須野が原ハーモニーホールで開催された「ハイドン没後200年記念コンサート」に出演していたのだった。
あのときはかすかにあどけなさを残していたと記憶しているのだが,今は立派な淑女。この時期の若者の成長の速さってのはなぁ。三日会わざれば刮目して待つべしってのは,男子に限ったことではないな。
● 次は,宇短大の卒業生であるオーボエの原田梨沙さんが加わって,バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調」。原田さん,若干,緊張があったか。
今回,最も印象に残ったのがこの曲。こういう演奏を聴くと,バッハも聴かなきゃなぁと思わされる。家でBGM代わりに流しておく曲っていうと,バロックって人がわりと多いのかもしれない。ぼくはベートーヴェンは普通に聴けるんだけど,バロックを聴くときには腹に力を入れないとダメ。
● 3曲目はシューベルトの「ピアノ五重奏曲 イ長調」。ただし,1~4楽章だけで,5楽章はなし。ピアノは宇短大の学生が楽章ごとに交代して担当。
最後に4楽章を担当した小堺香菜子さんの演奏がよかった。技術云々ではなくて,芸大院生を相手にぜんぜん臆していない感じがね。そうでなきゃいけない。
● 次は宇短大で准教授を務める崎谷直さんがフルートで参加。モーツァルトの「フルート四重奏曲 ニ長調」。
熟練の技というんでしょうねぇ。安心して聴いていられる。身を任せてボーッと聴いていればいいっていう。
● 最後はピアノに宇短大生の中莖美晴さんが加わって,ピアソラの「リベルタンゴ」で盛りあげた。さらに,出演者全員で盛りあげるというサービスぶり。
というわけで,休憩を含めて1時間半の充実したコンサート。
● 2日前に宇都宮市文化会館にいた車いすの女の子を思いだした。文化会館ではなく,このコンサートに連れてくればよかったのに。彼女も落ち着いて聴いていられたろうに。言っても詮ないことだけれども。
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