2013年8月31日土曜日

2013.08.31 NIONフィルハーモニー管弦楽団第2回定期演奏会

彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール

● NION Philharmonic Orchestra(NIONフィル)は「埼玉県立浦和西高等学校管弦楽部の卒業生が中心となって」「2010年に結成されたオーケストラ」。
 この演奏会は「フロイデ」で知った。開演時刻もちょうどいいから,東京に出たついでに聴いていこうかという軽い感じで,埼京線は与野本町駅で下車。

● 会場のさいたま芸術劇場は,栃木の田舎者にしてみれば,驚愕の施設。大小のホールのほかに,音楽ホールと映像ホールを備え,舞台芸術資料室などというものがあり,稽古場や練習室も相当数。「ロトンダ」とか「ガレリア」といった名前の広場や通路も,まぁゴージャス。
 たぶん,おそらく,あまり使われていないっていうか,施設のキャパが実需をかなり上回っているのじゃないかと,畏れながら想像する。

● こういうのってさ,そっくり遊びのためのものだよね。生産には1ミリも寄与しない。音楽だの演劇だのにうつつを抜かしているやつだらけになったら,日本は沈むよ。って,ぼくもまた客席でその遊びにうつつを抜かして現在に至っているわけだけど。
 でも,遊びなしの人生なんて生きるに値しないというのも真実で,その真実をヨロヨロしながらも実践できる現在の日本は,ありがたくもいい国ですよ。

● 開演は午後6時半。チケットは500円。当日券を購入。
 演目はベートーヴェンの1番と7番。指揮者はやはり浦和西高の卒業生である平井洋行さん。浦和西高から芸大に進んだ人ですな。
 ちなみに,「音楽ホール」もすばらしいホールなのだった。いやいや,埼玉県,すごい。

● 先に書いたとおり,ついでに立ち寄った演奏会だ。無礼千万な観客ですな。ただ,今までの経験則からすると,たんなる偶然ではあるんだろうけど,「ついで」に失敗なし。
 で,このNIONフィルもそうだった。高校の管弦楽部OB・OGの音楽好きが集まって,同好会的にやっている程度なら,まぁどってことないだろ,と思ってたんだけど,どってことあったんでした。

● まず感じたのは,垢抜けているってこと。都会性に溢れていると言い換えてもいい。都会性をまとわない技術の洗練はあるか。今のところ,ないとぼくは思っている。
 都市の楽団は巧くて,田舎のそれは下手,っていうことじゃなくてね。どんな田舎にある楽団であっても,巧い演奏をするところは,都市的洗練を獲得している感じがする。
 もっというと,遊びって,都市のものだよね。田舎には遊びがない。都市と田舎を分けるものは,遊びの有無,遊びの大小だと思っている(都市に住めば巧くなれるっていう話ではないんですよ)。

● 休憩時間を含めて,約1時間半。ステージから緊張感が切れることはなかった。終演後はぐったりとお疲れの様子だったけれども,こういう演奏を聴かせてもらうと,客席側もまた快い疲れに包まれる。
 これがライヴの醍醐味のひとつだ。臨場感ってこういうことをいうのだと思ってみたりする。

● プログラムには,当分,ベートーヴェンを取りあげていくと受け取れる記述があった。楽しみなことだ。毎年,この時期にやってもらえれば。

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