2013年9月4日水曜日

2013.09.03 間奏31:ブルックナーを初めて聴いた

● ぼくは鑑賞者としてもほんとに初心者で,というか極端な偏りがあって,相当にメジャーな作曲家の作品でも聴いたことがないのが膨大にある。
 それでよしとしているところもあって,したがって聴く範囲が広がっていかない。

● といっても,さすがにブルックナーをまったく聴いたことがないというのはまずいだろう。実際,まったく,一切,聴いたことがなかったんですよねぇ。
 で,8月31日と9月1日の2日間で,ガーッと聴いてみた。といっても,交響曲だけ。

● 最初に7番を聴いて,0番から9番まで順に聴いてから,「習作」ともいわれるヘ短調を聴いた。聴いたCDは次のとおり(指揮者とオーケストラ名だけだから,CDを特定できるだけの情報量はないんだけど)。

 交響曲ヘ短調 エリアフ・インバル フランクフルト放送交響楽団
 第1番ハ短調 クラウデォオ・アバド ウィーン・フィル
 第0番ニ短調 下野竜也 大阪フィル
 第2番ハ短調 シモーネ・ヤング ハンブルグ・フィル
 第3番ニ短調 カラヤン ベルリン・フィル
 第4番変ホ長調 ベルナルト・ハイティンク ウィーン・フィル
 第5番変ロ長調 アイヴォー・ボルトン ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
 第6番イ長調 ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団
 第7番ホ長調 小澤征爾 サイトウ・キネン
 第8番ハ短調 カラヤン ウィーン・フィル
 第9番ニ短調 カラヤン ベルリン・フィル

● 以上のCDを選んだ理由は特にない。というより,選んだわけではなく,たまたま目に入ったものを入手しておいたに過ぎない。
 目下のところ,いわゆる名盤には興味もないし,自分にとっての名盤を選びだすという状況にも至っていない。至りたいとも思っていない。そもそもが,初めて聴く作品群なわけで,選ぶも何もない。
 さらにいうと,リッピングしたうえで,スマホ+イヤホンで聴いている。この聴き方をしているのに,CDについて云々するのは笑止の沙汰と言われるだろう。
 いわゆる版問題についても,ぼくは何も知らないから,ただ目についたものを聴いてみたというだけ。

● もちろん,この方面を微に入り細を穿って論じたブログや書籍があまたあることは知っているし,ひょんなことからそれら(のごく一部)に目を通したこともある。
 そういうことができる人たちには,ただただ舌を巻くしかない。自分のレベルとは違いすぎる。
 もうひとつ,すごいと思うのは,複数のCDを聴き比べてレビューを書けるだけの時間をどうやってひねりだしているのかってこと。過去における長い時間の蓄積があるのだろうけど,この道に賭ける気迫が違うんでしょうね。
 気迫でたいていの問題は解決できることは,理屈としては納得するんだけども,実際の例を見せられると,たじろがざるを得ませんね。

● で,聴いてどうだったかというと,自分の耳のダメさ加減を思い知るところとなった。11の曲を聴いたというより,同じ曲を11回聴いたという印象。
 こういう聴き方をしては,そうならざるを得ないものかもしれないけれども,それにしてもちょっとどうよ,「同じ曲を11回聴いた」っていうのはねぇ。

● この作曲家は聴き手を選ぶところがありますか。どんな作曲家もそうだと思うんだけど,その度合いが強いかも。
 好きな人はめっぽう好きなんだろうな。他方で,ブルックナーは自分のレパートリーに入っていないっていう人も,わりといそうな気がする。

● ただ,どれも似たような曲調だなぁと思ったことはたしかで,そうなると,最初に聴いた7番が最も良かったですね,ってことになってしまう。やはり,慈しむようにして聴かないといけないものでしょうねぇ。
 でも,橋頭堡は築くことができたと思うので,あとはゆっくりとひとつずつ聴いていければと思う。

2 件のコメント:

  1. 土日にかけて、ブルックナーの交響曲を一気に全部聴かれたわけですよね。すごい気力、体力ですね。私なんか、絶対に無理です。他のところでも、コメントしましたが、ブルックナーの原始霧の中から何か誕生してきそうな旋律って、どの交響曲にも聴かれ、私なんか、どれも同じように聞こえてしまいます。逆に、作曲家は、何か新しい物を作り出そうとしているのでしょうが、ブルックナーの場合は、結局、自分のカラーから脱出できなかったのかな、なんて感じたりもします。それにしてもすごいですね。

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    1. いえ,これはほめていただくようなことかどうか。
      通り一遍の聴き方になりますから。
      要するに,気力や体力を消耗しない聴き方にならざるを得ないわけでして。

      聴いたことにならないと思います。
      ガツガツした聴き方をしてはダメですね。

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