2020年12月31日木曜日

2020.12.30 アーベント・フィルハーモニカー 第24回定期演奏会

国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟大ホール

● 去年の今日に続いて,2回目の拝聴。開演は14時30分。入場無料。
 事前申込制にして座席を割りふることはしない。入口に団員が立って検温をすることもない(青少年総合センターに入るときに,センターの職員が大々的に検温している)勝手に入って,勝手に座って,勝手に聴いてね,といういつものやり方。
 どうしてこのやり方が成立するかといえば,どうせ密になるほどお客さんは入らないもんね,パラパラとしかいないもんね,だから勝手に座ってもらっても何の問題も出ないよね,という前提に立っているからだろう。

● 経験則を踏まえた正しい前提だ。楽団のサイトには「短期間の集中リハーサルと低経費による運営によって注目を集め」とあるけれど,アマオケ界におけるLCCと呼ばれてたりするんだろうかな。
 集客に関しても,聴きたい人が聴きに来ればいいという感じ。たくさん集めることを第一義にはしないと割り切っているように見受けられる。

● 曲目は次のとおり。指揮は小柳英之さん。
 ストラヴィンスキー 交響曲第1番 変ホ長調
 スクリャービン 交響曲第2番 ハ短調

● まずはストラヴィンスキーの1番。「3楽章の交響曲」でも「詩篇交響曲」でも「ハ調の交響曲」でもなく,第1番。
 初めて聴く。CDを含めても初めて聴く。なぜなら,ぼくはこの曲のCDを持っていないからだ。
 で,聴いてみてどう感じたか。明瞭な形での印象は成立しなかった。

国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟
● この曲の初演は1908年だったそうだから,ストラヴィンスキーは25歳。「火の鳥」も「ペトルーシュカ」も「春の祭典」も生まれていない。
 「春の祭典」が持つ強烈なほどの鋭角さをこの曲に感じることはなかったけれども,ストラヴィンスキーと知って聴けば,なるほどたしかにストラヴィンスキーだね,と思うだろう。が,作曲者が誰か知らないで聴いたら,ストラヴィンスキーの名前が浮かんでくるかどうかは自信がない。
 CDを入手するところからかなぁ。YouTubeでカヒッゼ指揮・トビリシ交響楽団の演奏を聴くこともできるが。

● スクリャービンの2番も初めて聴くものだ(4番はアウローラ管弦楽団の演奏で聴いたことがある)。で,聴いた後で,自分は今聴いた曲が好きなのか嫌いなのかを自分で決めることができない。
 受けとめかねているわけだろう。やはり繰り返して聴かないと,受けとめることすらできなそうだ。

● ま,順番としてはストラヴィンスキーからだね。バレエ音楽はウォークマンに入れているんだけど,交響曲は視野の外にあった。
 ココ・シャネルとも恋愛(不倫)関係にあったと言われる。ココ・シャネルをたぶらかすとは(たぶらかされたのかもしれないが),面白い男ではないか。あるいは,あまりに人間的な男ではないか。

● アーベント・フィルはなぜこの曲を選定したんだろうか。響きがほぼないこのホールで,ここまでの負荷を自分たちに課さんでもよかろう。君たちはMなのか。
 と,失礼かもしれないことを思ったんだけども,2つとも生で聴く機会は圧倒的に少ない。ゆえに,聴きに行った。行ってよかった。課題を作ることができたから。

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