ミューザ川崎 シンフォニーホール
● プログラム冊子の「インスペクター挨拶」に,楽団名の由来についての解説がある。「初顔合わせをとある居酒屋で行った際に,指揮・久世武志先生が手羽先を頬張りながら「手羽先オケなんてどう?」と仰ったことがきっかけで決まったのです」ってね。
そうか。TBSKは手羽先(てばさき)と読むのか。指揮者が手羽先ではなくて,豚の串焼きを食べてたら,BTKY管弦楽団になってたのか。
まぁ,そうじゃないよね。手羽先だったからサッと決まったんだろうな。あるな,そういうこと。その流れに乗ったほうがうまくはまるんだよね,そういうときって。
● 開演は13時30分。入場無料。ただし,チケット制。入場者を正確に把握したいということですか。
曲目は次のとおり。指揮者は久世武志さん。
R.シュトラウス 歌劇「サロメ」より7つのヴェールの踊り
R.シュトラウス ホルン協奏曲第1番
マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調
● 男性は黒のスーツにボウタイ。女性は黒のスカート(orパンツ)に白のブラウス。で,黒が勝っている。全体的に黒っぽい。
つまり,女性より男性がずっと多い。そういうオーケストラって,こういうと女性には叱られるかもしれないんだけど,たいてい水準が高い。N響を御覧なさいっていう感じね。
● かといって,ウィーン・フィルとかベルリン・フィルは女性が少なすぎる。あれは何なんだろうね。
ヨーロッパって案外,封建遺制を引きずってるところがあるんですか。サッチャーさんとかメルケルさんとか,女性が首相になったりしてるのにね。
● いや,そういうことではないんでしょうね。プロの演奏家になるには,小さい頃から英才教育を受けなければならない。日本だと女の子はそのチャンスに恵まれるけれども,男の子はそういうものから遠ざけられがちだ。
ヨーロッパはそうじゃないってことなんでしょうね。歌舞音曲は女のものっていう空気がないのだろうな。想像で言ってるわけですけどね。
● この楽団が巧いのは,その前からわかってましたけどね。入場するときにね,スタッフの応対がね,巧い楽団のそれだったんですよね。それこそうまく言えないんですけどね,あるじゃないですか,そういうの。
そもそもがね,ミューザで定演をやるっていうところでね,これはかなり巧いはずだよってわかるわけで。
● ホルン協奏曲のソリストは,イルジー・ハヴリークさん。チェコ・フィルのホルン奏者。こういう人を引っぱってこれるのもね,おそらく指揮者の久世さんの人脈によるものかもしれないけれども,この楽団の実力なのだろう。
● ところで,この楽団は首都圏の複数の大学の学部生,院生で構成されているようだ。音大ではなく普通の大学。
インカレオーケストラってことになるんだろうか。おそらく,彼らの多くは所属する大学のオケ活動にも関わっているんだと思うんですよね。それに加えて,このオケにも入っている,と。
所属大学のオケでは満たされないものがあるのか,精鋭だけでレベルの高い演奏をやってみたかったのか。それはどうあれ,この種の勤勉さをぼくは奇妙なものを見るような感じで受けとめる。自分にはなかったものだから。
● この演奏会を聴いたのはいくつかの偶然が重なった結果。それらの偶然に感謝。
ちなみに,3曲のうち,最初に聴いた「7つのヴェールの踊り」が最も印象に残っている。文字どおり最初に聴いたからだ。清新な演奏でおぉっと思った。
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