2019年12月31日火曜日

2019.12.28 横浜国立大学管弦楽団 創立60周年記念第113回定期演奏会

カルッツかわさき ホール

● JRの上野東京ラインができて,宇都宮から乗換えなしで行けるようになった川崎。その川崎にやってきた。横浜国立大学管弦楽団の定演を聴くため。初めての拝聴になる。
 何せ,今日からぼくは9連休なのだ。晴々とした気分で,電車を降り,晴々とした気分で年末の川崎の街を“カルッツかわさき”まで歩いたわけなのだ。

● こういうときは,たいていのことは許せる気分になっている。矢でも鉄砲でも持ってこい,というのではなく,寛容の気に満ちているというかね。
 早く毎日が日曜日にならないかねぇ。そうなれば毎日こういう気分で過ごせるのかねぇ。
 ま,そうなったら収入も減るわけだから,電車賃を使って川崎に出るというそれ自体ができなくなるかもしれないけれども,そうなればなったでやりようはいくらでもある。

● ともかく,今日は川崎に来たのだ。まぁだ稼ぎがあるんでさ。開演は13:30。入場無料(カンパ制)。ただし,整理券が必要。が,心配無用。当日,配布しているのでね。
 曲目は次のとおり。指揮は栗田博文さん。
 モーツァルト 歌劇「魔笛」序曲
 シベリウス 「カレリア」組曲
 マーラー 交響曲第1番「巨人」

● 音大でもない普通の大学の部活のオーケストラが,マーラーをほぼ破綻のない水準で演奏してのけるんだからねぇ。どうなってんのよ,と訊きたいくらいだ。
 正確にいうと,破綻がないという水準を超えている。この楽団独自の色がついている。結果的についた色ではなくて,つけた色のように思われる。
 基本,弦のレベルの高さがあってのことかと思うんだけれども,木管も金管もパーカッションも相当なもの。
 大学オケのレベルの高さって,入試偏差値と相関しているようで,そこがイマイチ面白くないわけだが。

● ここのところを敷衍すれば,首都圏の大学オケ(音大は除く)についていうと,早稲田大学交響楽団東京大学音楽部管弦楽団,インカレ団体では東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団。この3つがとにかく凄いと思っていた(噂に聞く慶應のワグネルはまだ聴く機会を得ていない)。
 そこに,学習院輔仁会音楽部管弦楽団の演奏を聴いて4つめが来たと感じ,今回が5つめだ。

● ところで,この楽団も横浜国立大学純正ではなくて,他大学の学生も参加しているインカレ団体のようだ。明治学院大学や鎌倉女子大学などの学生もいるけれど,最も多いのはフェリス女学院大学の学生で,名簿を数えてみたら17人いる。おそらく,音楽学部の学生さんではないか。
 演奏の水準が高いのは,こうしたことも一因であるだろう。内に向けて閉じているのではなくて,外に開かれていること。

● 那須室内合奏団の演奏会で何度かお顔を拝見している白井英治さんも1st.Vnの列に加わっていた。トレーナーも参加していたってことね。これも水準の高さを作った理由のひとつであるかもしれない。
 けれども,そういうことは理由の一部であってね。ともかく演奏の水準は相当なものですよ,と。

● 顧問の先生がプログラム冊子に載せた“ご挨拶”の中で,滝廉太郎の「憾み」を紹介している。「23歳のうら若き天才が死と向き合いながら,神の領域まで駆け上がった感があります」。
 本当か。ならば,聴いてみなければなるまい。この曲を教えたもらったことも,今回川崎に来て得られた成果のひとつになるかもしれないではないか。

● いくら冬の日でも,終演後はまだ明るい。9連休といっても,あっという間に過ぎてしまうことは何度も体験してわかっている。
 が,今日はまだ始まったばかり。まだたんと残っている。若い学生さんたちの演奏を聴いて,エネルギーもチャージできた。駅に向かう足取りは軽い。

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