まず,プログラムを書き写しておこう。
バーンスタイン キャンディード序曲
ヴィヴァルディ 2本のフルートのための協奏曲(RV533)
レスピーギ 「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲より“シチリアーナ”
ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」序曲
天野正道 天空に舞う6人の天使達
デュボワ 四重奏曲
ビゼー 「アルルの女」第2組曲より“メヌエット”
ベーム グランドポロネーズ
廣瀬量平 フルオーケストラのための「ブルートレイン」
久石 譲 ジブリメドレー
● フルートオーケストラなるものが,そもそも成立するのか。これについては,昨年の演奏を聴いて,結論が出ている。
成立する。フルートといってもピッコロからコントラフルートまでいくつもの種類があるわけだ。担当できる音域は広い。無限といってしまっていいかもしれない。数学的な無限ではなくて,この世に存在する音のほとんどをおそらく,これらのフルート群で表現できそうだ。
フルートの持つ音色の多様さと多彩さを直に理解するのに,この演奏会はちょうどいい。でも,基本,フルートといえば青白い知的な音を出す楽器だよね。
● 第1部で面白かったのは,ヴィヴァルディ。「2本のフルートのための協奏曲」でありながら,バックもオールフルートというね。原曲は管弦楽なんでしょうからね。
バックがフルートでも成立するということね。あたりまえでしょ,と言われると,そうですね,あたりまえですね,と応えるしかないわけだけど。
● すべての作曲家の中で,最も才気溢れる作曲家は誰かとなったら,ロッシーニかもしれない。才気がありすぎて,途中で飽きちゃったような。飽きたというか,見切ってしまったというか。
そのロッシーニの「セビリアの理髪師」序曲も,フルートでやるとこうなるのかという面白さというんだろうかなぁ,管弦楽を聴いているような気分になった。曲調の然らしめるところだろうか。
● 第2部の「天空に舞う6人の天使達」は石橋高校吹奏楽部のフルート奏者8人が演奏。こういうことを言うのはいかがなものかと自分でも思うんだが,と言い訳しながら言ってしまうんだが,この年代の男女(といっても,男子は1人しかいない)は見た目がきれいだよねぇ。
贅肉が付いていないって,こんなにきれいなのかって思う。ビジュアルが整う。人体ってそもそもがきれいなものなんだなって。贅肉が付いていなければ。
● このオーケストラを立ちあげたフィクサーは岩原篤男さんで,彼が面倒を見ているのが石橋高校吹奏楽部。となると,石橋高校の生徒たちは事務局とはならなくても,梃子として便利に使われることになるだろう(たぶん)。
それも勉強だと言われたりするのかな。勉強にはならんがね。勉強にならないのにやらされるわけだから,出番も作ってもらわないと割が合わない。ゆえに,この出番はあって当然。
● 「アルルの女」の“メヌエット”と「グランドポロネーズ」は尚美学園大学で教鞭を執る齋藤真由美さん(芳賀町出身)のソロ。
「アルルの女」の“メヌエット”はさきほど聴いたばかりだ。同じ宇都宮市文化会館の大ホールで宇女高オーケストラ部の演奏会があって,そこでもこの曲を取りあげていたので。
何度聴いても,いいものはいいなぁということね。
● 「グランドポロネーズ」の前に,超絶技巧をお楽しみ下さいというアナウンスがあったんだけど,名手がやると超絶技巧が超絶技巧に見えない。超絶技巧を超絶技巧に見せない。
ぼくらはそのファインプレーになかなか気づけない。
● という次第で,演奏はエンジョイすることができた。
しかし,今回は,唯一,客層がひどすぎた。・・・・・・以下略・・・・・・。
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