ミューザ川崎 シンフォニーホール
● 15日に那須野が原ハーモニーホールで聴いた,ジャン=フィリップ・メルカールト氏のオルガン演奏を,今日はミューザで。チケットは500円。川崎信用金庫プレゼンツ。
● 開演は12時10分。昼食を食べていたんじゃ間に合わないから,終演後に食べるんでしょうね。プログラムを持っていくとソフトドリンクが1杯サービスするといった “提携店舗” があるので,事後に食べるように12時10分から始めることにしているんでしょうかね。
平日の昼休みなんだから,勤め人は来られない。ぼくのようなロートルか,大学生か,中小企業の親父(士業の者も含む)か,専業主婦でなければ,来られないはずだろう。それにしては高齢者じゃない人も多かった(大学生はほぼ見かけなかった)。
● 中小企業の親父というのはちょっと脇に置かなければならないけれども,残りの3つは,何というか,特権階級かもしれんなぁ。大学生は4年間限定の特権階級。卒業したら奴隷に落ちなければならない。
専業主婦というのは,究極の特権階級でしょうなぁ。生活はカツカツであっても,専業主婦の座にいること自体が王冠を冠っているようなものだ。もはや絶滅危惧種になっていてもおかしくないと思われるところ,しぶとく生存を続けている。
● ロートルはどうかといえば,これがなかなか悪くないのだ。辞めるときに,ぼくよりも年長の方に「辞めてホッとできるのは1ヶ月か2ヶ月だよ。それを過ぎると,どこにも所属していないことが不安になってくるよ。長く勤めた人はそうだよ。勤めている方がいいと思うようになる。まぁ,まずはゆっくりすればいいんだけどね」と言われたんだけど,組織に所属していないことの不安なんて,あるわけないって。
組織だの世間だのって,どうでもいいものだよ。世間からの信用なんてのは基本なくてもいいものだ,とつくづく思うわ。そんなもの持っていたって,一文の値打ちもないぞ。
退職したら仕事絡みの人間関係がストンと消えるのだから,地域に居場所を作ることが大切だ,というのも嘘。今,自分がいるところが居場所なんで,それ以外に居場所なんて要らないんだよ。
● 四苦八苦のうち最も堪えるのは怨憎会苦(会いたくない人に会わなければならないこと)でしょ。それが消えるんだよ。会いたくない人が妻や夫だったりすると少々厄介だけれども,そうでもなければ,これはもう天国だよ。
皆さんも早く60歳,65歳になって,怨憎会苦のない世界に来るといいですよ。
お金なんか少しあればいいんだよ。たとえば洋服。流行なんてのを一切考慮しないことにすれば,一生困らないだけの在庫がすでにあるでしょ。生きてくのにお金ってそんなに要らないよ。
ただし,インターネットは味方に付けておくこと。
● 脱線が過ぎた。曲目は次のとおり。15日はドイツ・ロマン派だったけれども,今日のテーマはフランス。
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル シェヘラザード
Ⅰ アジア Ⅱ 魔法の笛 Ⅲ つれない人
デュプレ 「エヴォカシオン」より アレグロ・デチーゾ
● 「牧神の午後への前奏曲」はオルガンの前の演奏台で演奏した。ラヴェルの「シェヘラザード」には,歌が入る。というより,歌がメインだ。國光ともこさんのソプラノが入る。
で,メルカールトさんも下に降りてきた。あらかじめ,リモートコンソールが用意されていたのだが,これがどういう仕組みになっているのかと思って,注意が完全にそちらに向いてしまった。
単独の電子オルガンのようなものなのか。が,音はパイプオルガンから聴こえてくるぞ。ステージにあるこの電子オルガンのような演奏台と奥のパイプオルガンは,どこでどうつながっているんだろう。Bluetooth接続なのか。そんなバカな・・・・・・というような。
● 終演後に,メルカールトさんと國光さんのアフタートークがあった。國光さんが訊き役で,メルカールトさんがそれに答える。
國光さんは聴衆代表になって,リモートコンソールについて最初に訊いてくれた。しかし,さすがに接続の仕組みについてまでは踏み込まない。
オルガンの音の出し方。どこまで高い音が出るのか,低い音が出るのか。音量の調整はどうするのか。鍵盤は三段なのか四段なのか五段なのか。色々と知りたいことを訊いてくれたんだけどね。もちろん,御自身はとうに知っていることだろう。
● パイプオルガンというのはじつは巨大なIT機器なのではないか,と思えてきた。長い生い立ちのある楽器なのだが,技術革新の影響を受けて最も大きく変わってきたのがオルガンだと考えていいのだろうか。
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