ティアラこうとう 大ホール
わが町からもワクチン接種の通知が届いているが,まだ収束は先の話。当分はコロナと共存していかなければならない。
● 緊急事態宣言が出ているのに通常運転を続けるホール。それをいいことに予定どおりに開催を強行するオーケストラ。
・・・・・・素晴らしい。これまでの約1年間で得られた知見に照らして,これこそが理に適うひと筋の道。というわけで,ティアラこうとう。オーケストラ・ノットの演奏会。
● 開演は午後2時。チケットは1,500円。事前予約制。【teket】で事前に電子チケットを購入しておく。
この楽団では入場時にチケットのQRコードを読み取らない。ということは,チケット購入者のうち誰が来て誰が来なかったかはわからない。入場者数を確定できない。
しかし,それで困ることがあるのかというと,おそらく何もない。連絡の必要があれば購入者全員に連絡してしまえばいい。チケット販売時にメールアドレスは取得しているのだから,連絡手段は確保されている。
手を抜けるところは抜けばいい。というより,抜いた方がいい。見識だと思う。
● プログラムは次のとおり。指揮は藝大院に在学中の山上紘生さん。
ヴィエニャフスキー ヴァイオリン協奏曲第2番
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
シベリウス 交響曲第7番
● ヴィエニャフスキーのヴァイオリン協奏曲はCDを含めても初めて聴く。狭く浅くの聴き手であるなぁ。今日,ともかくも聴いたわけなので,さて,あとは音源を整えよう。ネットにもあるはずだけれども,まぁCDでしょうね。
ヴァイオリン独創は去川聖奈さん。昭和音大の学部生。昨年10月のアンサンブル・ノット演奏会でグリーグのヴァイオリンソナタ第3番を演奏している。ぼくの耳だとプロ奏者と区別がつかない。
去川さんのアンコールはハイドン(クライスラー編)の「オーストリア国歌」。オーストリ国家をおまえは知っていたのかと言われるか。知っているはずがない。なぜわかるのかと言えば,司会者が曲名をアナウンスしてくれたからだ。
● シベリウスの協奏曲は当然ながら何度か聴く機会を得ている。今回は吉本萌慧さん(藝大院)のヴァイオリン。ねぇ,もうプロの演奏と何も変わるところはないですよねぇ。
吉本さんのアンコールは,バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番」より「ラルゴ」。
● オケの演奏はシベリウスの7番。現役の音大生あるいは音大を卒業した社会人がかなりの部分を占めているのだろう。凡百のアマオケとは違う。私たち,好きだからやってます,というそれだけではない。
この楽団の演奏を初めて聴いたのは昨年2月だが,今日が4回目となる。うち,1回はオケではなく少人数のアンサンブルだったのだけども,活動の頻度が並ではない。この時期に開催するのも,ブルドーザーのような推進力を備えた人がいないと無理としたものだろう。
組織は多数決で動くことはない。誰かの熱がエンジンとなって動くものだ。
● 曲目解説に「この曲の神髄は,有機的に融合した交響曲の各要素を,凝縮された音の中で表現しきったことにあります」という一文があるんだけれど,“有機的に融合” と “凝縮された音の中” の意味が了解できない。どういうことなのか。
ま,そういう細かいことはどうでもよろしいか。オケのアンコールは,シベリウス「悲しきワルツ」。
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