宇都宮共和大学 エントランスホール
最初の30分は「mix bell」の歌謡ショーみたいな。2017年のときも同じだった。が,メンバーは違う。どんどん入れ替わっているようだ。
現在は3人らしいのだけど,今回登場したのは2人。可愛らしいお嬢さんたちだ。
● 18時から宇短大音楽科の学生さんが登場。今年はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」。もちろん,全曲やるわけではなく,抜粋になる。組曲版と同じだったか。最後は “花のワルツ” で盛りあがって終わる。
弦と木管,ピアノ,エレクトーン,ユーフォニアムの構成で「くるみ割り人形」を舞台にかけるのは,宇短大ならではといっていいだろう。
● その前にトロンボーンの二重奏があった。トロンボーンという楽器は管弦楽の演奏で必ず聴くものだから,どんな音色でどんな効果があるかは一応知っているつもりだ。
が,トロンボーンだけを聴くと,あっ,トロンボーンってこういう音を出していたのか,と改めて思うことになる。
● 短大の学生なのだから,年齢は18~20歳のはず。若い人たちの演奏はそれだけで価値があると,ロートルは思う。そう思う自分の気持ちを探ってみると,頼もしさのようなものを感じるゆえだろうととりあえず結論づけたくなる。
自分は何ほどのこともしなかったし,できなかったけれども,彼ら,彼女らは何事かをやってくれるだろう。だから未来は良くなるはずだ。そう思って安心する。そういう機序が働くようだ。
● この演奏会は,どうぞ皆さん,楽しんで下さい,というものだ。楽しめばそれでいい。
下手な演奏では楽しめないが,充分に楽しめる水準にある。だから,聴く側もあまり難しいことは考えなくていいし,考えている人もいなさそうだ。
● 大きなホールでのコンサートはもちろんいいものだ。フルオーケストラでチャイコフスキーの5番や6番を聴くのは,至福の時間になり得る。
一方で,こういう小さな演奏会もいい。演奏会の原点はこちらにあるはずだろう。しかも,大ホールでのコンサートは毎週,土日はどこかで開催されている(東京まで視野に入れた場合はね)のに対して,こうした原点に近い形の演奏会はけっこう以上に貴重だ。
宇都宮に短大の音楽科がある恩恵は間違いなくある。エンタテイメントの総量を増やしてくれる。ぼくらはその増分をちゃっかりと頂いて,ニンマリすればよいのだと思っている。
● 今日のコンサートの模様はとちぎテレビの「わいわいボックス」で放送されると mix bell のお嬢さんが言っていた。「わいわいボックス」と宇短大音楽科は仲がいいようだ。利害が一致するというか。
この番組は栃木県内の中学校や高校の演奏会などをこまめに報じているようだ。ならば,そうした演奏会がいつ開催されるかの予定表として,同番組のサイトを活用できないかと思ったのだが,残念ながらそれは無理っぽい。2週間先の放送予定までしかサイトには上がっていないから。サイトに上がったときにはすでに終了しているようだ。